essay――ran side

 屋上って気持ちいい。

 特に人がいない時はそう。空を見るのは、すごく、好き。

 視線を呑み込む無限のブルーと綿菓子のような雲のホワイトを見ていると、

 屋上の方がゆっくりと動いているような気がして、 家のことも、学校のことも、みんなきれいに忘れられる。

 手すりに気がついてしまうと、魔法は覚めてしまうけれど。

 ──昨日、合宿についてミーティングがあった。

 「ここでやる」と、またいつものように実紀先輩が、ぼそっと宣告した。

 今年は学園内の合宿所で寝泊まりするみたい。

 むかぴ。

 せっかく遠出できるかな、と思ってたのに。

 ……でも、いいや。

 みんなといっしょにいられるんだもん。

 七日間、何をしようかな〜。

 やっぱり、サッカーかな。

 また、実紀先輩とサッカーしたいな。ゴールキーパーは、とりあえず平野先輩にしておこう。

 プールもいっぱい入りたいな〜。

 お昼寝もして、ご飯いっぱい食べて……

 あれ?

 何か足りない気が。

 ……あ、そっか。絵のこと忘れてた。

 にはは。

 ……

 実紀先輩がいて、陽詩美先輩がいて、平野先輩がいて──山、川、なんて馬鹿なことを言い合って、

 サッカーボールを蹴って。みんなきれいに忘れて、ず〜っと楽しく過ごしたいなあ……。